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「ecbo cloak」で手ぶら観光。コインロッカー難民は今後いなくなるか?

 

 

こんにちは、今日は2017年の1月に東京でローンチされて、4月には京都ローンチも果たした「ecbo cloakをご紹介します!

 

「ecbo cloak」とは

 

「ecbo cloak」とは、カバンやスーツケースなどの荷物を預けたい人と空きスペースを提供する店舗をつなげる新しいシェアリングサービスです。2017年1月の東京でのサービス開始の発表から、3ヶ月後の4月には京都でもローンチし、今後は大阪、福岡でもローンチ予定(2017年5月現在)。

運営はecbo株式会社で、代表である工藤氏はUber Japanの初期メンバーに携わっていたという。シェアリングの領域で培った知見を活かして、「ecbo cloak」に取り組まれています。

 

代表取締役社長 工藤 慎一(Kudo Shinichi)

1990年生まれ。日本大学経済学部卒。
2014年、Uber Japan 株式会社にてインターンを経験。
2015年6月、ecbo株式会社を設立し代表取締役社長に就任。オンデマンド収納サービス「ecbo」をβ版運営。
2017年1月、世界初のシェアリング サービス「ecbo cloak」を立ち上げ。

 

工藤CEOは2015年6月のecbo株式会社設立以来、長期的な保管を可能にする、デリバリー付きトランクルームサービス「ecbo storage」の開発に取り組んでいたが、2016年の8月にまずは短期的な保管を可能にする、旅行荷物を店舗に預けて、手ぶら観光をするための サービス「ecbo cloak」を先行してサービス開発することに。「ecbo storage」の開発を一旦休止させ、「ecbo cloak」の開発を9月に始動し、2017年1月東京ローンチに至ったという。そのサービス開発の背景を工藤CEOに伺いました。

 

− ecbo株式会社で最初に開発が進められていたデリバリー付きトランクルームサービス「ecbo storage」はどのような経緯でアイデアを思いついたのでしょうか?

工藤 「ecbo cloak」の前進である「ecbo storage」は大学の授業がきっかけでした。物流の授業で、倉庫の空きスペースを有効活用するビジネスアイデアを考えるという課題を通じて、倉庫、クラウド、物流……そういった要素をスマートフォンを使うことで何かできないかと考え、思いついたものです。

 

− 「ecbo storage」の開発を休止し、「ecbo cloak」に方向転換した裏にはどのような背景があったのでしょうか?

工藤 2016年8月に「ecbo cloak」のアイデアを思いつきました。ある日渋谷で、旅行客にスーツケースを預ける場所はないかと声をかけられ、一緒に探したところ40分探し回っても見つからない。よくよく調べると、渋谷駅周辺にあるコインロッカー1400個のうち、スーツケースの入る大型コインロッカーは90個しかなく、「ecbo cloak」のようなサービスが必要だと感じました。

しかしながら、当時すでに「ecbo storage」のアプリは完成していましたし、実際に使ってもらうテストも行なっていました。ecbo株式会社はもともと「人々の所有のあり方を変えたい」という思いで創業し、所有のあり方を変えるにはまず保管のカタチを変える必要があると考え、長期保管に対応する「ecbo storage」の開発を行なっていたわけなのですが、実際にやってみるとアプリの完成度もそうですが、オペレーションの面でも、長期保管サービスは大量のリソースが必要でスタートアップ・ベンチャーでやるには難しいとわかりました。

それを踏まえた上で、「ecbo cloak」のアイデアを思いついてから、法律のチェックやコインロッカー事情のリサーチを1、2週間で行った結果、「これはイケる」と考え、切り替えることにしました。

 

− 2016年8月に方向転換をしてから2017年1月のサービス開始の発表までのスケジュール感について教えてください

工藤 アイデアを思いついてから、

・8月中旬に法律のチェック、コインロッカー事情のリサーチ

・9月頭に開発着手

・10月にデザインが上がって、テスト店舗の開拓を行い、1ヶ月間ほどのユーザーテスト

・11、12月に実験の結果を元に、荷物預かりサービスとして最低限使えるようにつくり直す

・1月に発表、ローンチ

という流れでした。

サービス開発というものは、実際にやってみないとわからないもので、自分は「ecbo storage」のサービス開発でとても苦労しました。仕様を固めると言っても、抜け目がないかどうかとても頭を使うし、鍛えられる。その経験があったからこそ、「ecbo cloak」をやるにあたって何が必要かがわかり、進めることができました。

 

 


スーツケースが入る大型コインロッカーの数がまったく足りないというのは、本当なのか?


工藤

ある日渋谷で、旅行客にスーツケースを預ける場所はないかと声をかけられ、一緒に探したところ40分探し回っても見つからない。よくよく調べると、渋谷駅周辺にあるコインロッカー1400個のうち、スーツケースの入る大型コインロッカーは90個しかなく、「ecbo cloak」のようなサービスが必要だと感じました。

実際に遠出の機会があったので、「ecbo cloak」のルーツを探るべく、渋谷へ。まずは大型コインロッカーが空いていないかチェックしに回ります。

一通り見て回ったところ、改札周辺の大型コインロッカーは空きがありませんでした。しかも、大型だけではなく通常のコインロッカーも。

 

 

 

 

 

大型コインロッカーを探しに徘徊すること数十分

 

 

 

 

 

……本当にどこも空いていない。

 

 

 

これではスーツケースやカバンを運びながら街を歩くしかなく、現在のコインロッカーのキャパシティでは観光に訪れた旅行客へ満足に収納スペースを提供できているとは言えない状態であることがわかりました。オリンピックに向けて政府が掲げている「2020年に訪日外国人4000万人」を実現した場合には、これは更に重大な問題となることが予想されます。その問題に対し、工藤CEOは次のように語られています。

 

工藤 政府も手ぶら観光を推奨しており、コインロッカー問題への対策として荷物預かり所を開く場合に補助金を出すなどの支援を行なっています。オリンピックまでに収納スペースを増やすということですが、実際にどれくらい増やせばいいのか不透明なことと、荷物預かり所を開くにはお金や土地のコストがかかるという問題に直面しています。これをスマートに解決しようとしているのが「ecbo cloak」になります。

 

 


実際に「ecbo cloak」を使ってみた


主要都市に住んでいる人にとっては、スーツケースと無縁で、コインロッカー問題に対して実感が湧かない人が大多数だと思います。「ecbo cloak」は外国人だけではなく、国内旅行客や就活で上京してきた学生、さらには買い物で荷物が増えた後に手ぶらで街を散策したい人まで、利用シーンは多岐に渡ります。

 

どのように荷物を預け、返してもらうのか?

空いている大型コインロッカーが見つからないので、「ecbo cloak」を利用してみます。

 

 

 

 

ユーザー登録は、「ecbo cloak」のホームページにアクセスして、メールアドレスとクレジットカードを登録することで利用が可能になります。次に、マップから店舗を探し、預ける日時を決めて予約します。今回は「カフェマメヒコ公園通り店」を選びました。

 

 

 

 

手ぶらで観光。「ecbo cloak」はそれをお店の空きスペースを活用することで実現した新しいシェアリングサービスです。スーツケースやカバンを運びながらの街歩きは旅行体験として決して良いものは言えませんし、長い階段をスーツケースを抱えながら昇降するというのも大変なことです。

 

 

 

 

予約した店舗に到着し、店員に「ecbo cloak」を利用する旨を伝え、荷物の写真を撮ってもらいます。写真を撮ることで、どのユーザーがどの荷物を預けたかを記録として残し、荷物を返却する際に、異なる荷物をユーザーに渡すことを防げるようになっています。

 

 

 

 

荷物を預ける価格設定は、駅周辺のコインロッカーと変わらず、カバン類300円、スーツケース(大型荷物)類600円。また、「ecbo cloak」の利用に関しては、「ecbo cloak」加盟店舗のサービスを利用する必要はなく、もしカフェに荷物を預ける際にも、必ずしもオーダーする必要はありません。ただ、荷物を預けるついでにお茶をいただくユーザーの割合は多いようです。荷物を預けるユーザーだけではなく、お店の認知度向上の面で加盟店舗にとってもメリットの大きいサービス設計になっています。

 

「ecbo cloak」で手ぶら観光

訪日外国人へ認知が広がり、加盟店舗数が増えていくにしたがって、新しい旅行インフラとして「ecbo cloak」が浸透する日もそう遠くはないのかもしれません。

 

 

「ecbo cloak」で荷物を預け、手ぶらで街歩きをすることができました。

荷物を受け取るには、預ける際に撮影した荷物の写真が添付されたメール、もしくは自身の予約管理画面を見せることで、荷物が引き渡されます。

 

 

※カフェマメヒコさん、撮影許可ありがとうございました!

 

 

コインロッカーは「ecbo cloak」の既存の代替手段ですが、コインロッカーは荷物を入れてお金を払うだけで、ユーザー体験も何もない一方、「ecbo cloak」は、荷物を預けたいユーザーと店舗の空きスペースを提供する加盟店舗をつなげることで、新しい体験を創出している。工藤CEOは次のように語られています。

 

 

工藤 「ecbo cloak」では、単純な「機能」のまとまりでサービスを提供したくはありませんでした。旅行者の立場になって見て考えると、たくさんのお金を払って日本に来ている中、わざわざ数十分、1時間使ってコインロッカーを探さなければならない現状は、体験として何の感動もないし、おもてなしもされていないと感じるはずです。

世間ではおもてなしについて色々と議論があるようですが、「ecbo cloak」は荷物を預けるサービスとして、まずは「おもてなし」をきちんと行おうというところから始まっています。ユーザーが行って楽しいところに、荷物を預けることができる。それは、カフェかもしれないし、カラオケかもしれない。時には、着物屋さんに荷物を預けて、そのまま着物を借りて、街へ出かけたり。預けるものも、カバンやスーツケースだけではなくて、ベビーカーだったり。これまではなかった新しい体験を届けていきたいと思っています。

 

 

旅行荷物を店舗に預けて、手ぶら観光をするための サービス「ecbo cloak」

サービスURL:https://cloak.ecbo.io/

by
芝浦工業大学卒。在学中は建築学専攻。 在学中には大学広報冊子の編集長を勤めながら、インターンでWeb系の新規事業に携わり、その中でスタートアップ・ベンチャーの魅力を知る。 より多くの人にその魅力を発信するために、取材活動に取り組んでいる。
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