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スマホとつながる乾電池型IoT「MaBeee」で、独自のポジションを築くノバルス社とは?

近年、携帯電話やパソコンだけでなく、家電製品、交通機関、医療などさまざまな分野でIoT化が進んでいる。そんな中、乾電池をIoT化するという斬新な発想で注目を集めているのが、ノバルス株式会社(以下ノバルス)が2016年8月に販売開始した「MaBeee(マビー)」だ。

 

乾電池型IoTデバイス「MaBeee」とは

「MaBeee」とは、おもちゃやライトなど、単3の乾電池で動く製品をスマホ専用のアプリでコントロールできるようになる乾電池型のIoT製品である。専用アプリを使って操作することで、電車型玩具やミニ四駆などのおもちゃを自由に発進、停止できたり、イルミネーションの調光による演出といった、様々な遊び方を楽しむことが出来るようになる。

 

使い方はシンプルで、まずは「MaBeee」に市販の単4の乾電池を装着する(「MaBeee」は単3電池形状)。そのまま単3電池と同じ要領でおもちゃにセット。乾電池を4本使う製品までは、「MaBeee」はそのうちの1本セットするだけで操作可能である。

そして専用アプリ「MaBeee コントロール」または「MaBeee ライト」をスマホにダウンロードし、おもちゃのスイッチをオンにすると、Bluetoothで「MaBeee」と接続ができる。「MaBeee」のLEDが点灯すれば、Bluetoothでスマホと連動した状況になっている。

 

「MaBeee コントロール」では、スマホを振る、傾ける、声を出す、などのアクションによって、電車型玩具やミニ四駆の速度を調節できたり、ぬいぐるみや工作ロボットを動かしたりすることができる。

「MaBeee ライト」では、通常ではオンかオフしかできなかったライトを、ゆっくり光って消えたり、といった調光の演出が可能になる。すでに家にある通常の家電製品をIoT化することで、リモコンの感覚で遠隔操作ができるのも便利である。

2016年8月に店舗での一般販売を開始してから、スタートアップとしては異例のスピードで販売店舗を拡大していき、同年12月にはビックカメラやトイザらスなどを中心に500店舗を突破している。

<「MaBeee」の主な受賞歴>

キッズデザイン賞 経済産業大臣賞(クリエイティブ部門) (2016年8月)
サイバーエージェントクラウドファンディングMakuake ビジネスインパクト賞 (2016年8月)
グッドデザイン賞 金賞 (2016年10月)
第18回JIDAデザインミュージアムセレクション選定 (2017年1月)

 

 

身近なところにある乾電池をIoT化するという意外なアイデアで生まれた「MaBeee」。どんな思いでサービス開発に取り組んでいるのか、ノバルスCTOの小山 和宏氏、マーケティング マネージャーの松成 亮氏にお話を伺った。

 

ノバルスが目指すIoT業界のポジション

CTO 小山 和宏(Koyama Kazuhiro)

セイコーインスツルにて腕情報端末ラピュータ開発、いち早くユーザー開発環境を提供。世界初のBluetoothウオッチプロトタイプで2001 Best Of CES 受賞、その後もさまざまな製品を担当。
その後、新しい何かを作りたいという思いからノバルスに参画。更なる製品を作り出すことに取り組む。

 

―「MaBeee」を企画する上で一番意識していることは何でしょうか?

 

小山 私としてはまずわかりやすく、というのと、面白いと思ってもらえるものを作っていきたいと思っています。「MaBeee」はIoTに分類されていますが、一般の人たちも子供からお年寄りまで誰もがわかりやすくて、使って楽しめるIoTというのは、実はすごく少ないんです。そこをこの製品は担っていると思っているので、IoTという一つの大きなくくりではありますが、限りなくBtoCに近いので、その分野でどう成長を遂げていくかという部分を今後やっていくところです。

 

 

マーケティングマネージャー 松成 亮(Matsunari Ryo)

新卒でITベンチャーに就職しアクセス解析周りを担当。その後BtoB企業にてマーケティングを担当。
IoT市場の今後に大きな可能性を感じたことからノバルスに入社。現在はインターン採用からマーケティング全般を担当。

 

松成 今年はトイホビーを中心にしっかり広告も打って認知を高めていこうと思ってます。「MaBeee」の形は、電池だとすぐわかってもらえるものなので、「人々に身近なもので愛される」というコンセプトを大事にしながら事業に取り組んでいます。

例えば、トイホビーでお子様中心の企画ですと「MaBeee」をリモコンにセットしてスイッチを入れたらその時間の情報が来るといった見守り、セキュリティ機能をつけることなどは検討段階事項としてあります。

 

小山 そういったところでいうと、将来的にはITにどんどん近づいていける製品になると思っています。

 

松成 冷蔵庫やエアコンなどは大手の家電を扱う企業がIoT化をどんどん進めていってます。そこに僕らが参入してもあまり意味がないので、おもちゃなど今までインターネットと関係がなかったものを「MaBeee」を通してIoT化するというところで差別化もできますし、ユニークなポジションを獲得できると思っています。

 

 

新体験の提供はユーザー駆動開発によって生まれる

 

―試作品も何度か作られていたと伺っておりますが、一般販売に至るまでのスピード感はどうでしたか?

 

小山 実際に完成品の量産を始めてから発売までは、6か月くらいでした。通常、時計などは一つの製品を作るのに1年以上はかかるので、それに比べたら早いですね。ただ海外の携帯電話のメーカーさんなどは高い完成度を保ちつつ8ヵ月くらいのスピードなので、そこは負けないようにやっていきたい。学ぶところは学んでいかないといけないですね。

 

松成 また、弊社は試作品のスピードに関しても自信があります。何でも依頼をすると大半が1、2週間で製作してもらえるんです。試作品なので完成品のものとは見た目や仕様は全然違うんですが、こうやりたいとお願いした部分は形として持ってきてくださるので、そこから新しい発想や、お客様にいただいたフィードバックをすぐに反映するといったスピード感はとてもあります。

 

小山 「MaBeee」の開発段階では今ほど色々な機能はなくて、徐々に拡張していきました。形も今とは少し変わっていて、一部を削ってより小さくするために、合計で4回くらい試作品を作りましたね。とりあえず作って、自宅で電車のおもちゃのコースを自作して、子供に遊ばせたりしていました。

 

松成 ノバルスでは必ずユーザーさんを挟んで意見を汲み取った上での機能実装をするといった開発手法を取っているので、本当にスピードが命だと思っています。

例えば、代表の岡部が公民館へ行って、お子様を集めて、実際に使ってもらって意見や感想を聞いたというエピソードもあります。実は、現在ある「MaBeee コントロール」の機能の半分くらいは、そこから得られた意見から実装された機能なんです。

そういった経緯もあるので、作っていく試作品のスピードと、意見を汲み取って反映していくということには強みを感じています。

実際に遊んでもらったお子様の意見、感想によって新機能が生まれていく

完成品になるまでの試作品の一部

 

ノバルスが目指す今後の展開

 

―今後に向けて会社規模を拡大していく予定はありますか?

 

松成 はい。ここ最近は採用活動にも積極的に取り組んでいます。また、今後はインターン生の採用にも力を入れていこうと考えています。弊社は客観的に見て平均年齢が若干上のほうなので、新しい世代の方々にサービスを使ってもらうからには、新しい世代の視点も必要です。ただ言われた業務をこなすのではなく、弊社のサービスをどう大きくしていくか一緒に考え、一緒に成長したい学生の方がいれば気軽に連絡していただければと思います。正直なところ1から教えるほどの教育制度は整っていませんが、その分実践で学べることはかなりあります。

ただ単にインターン生はやる気があるから採用するというのではなく、弊社からは個人だけではなくチームとして成果を出す体験も若いうちから経験できる場を提供し、自身のキャリアに活かしてもらえればと思います。

 

小山 そうですね、私はもう歳なので(笑)。技術的なことで言うと、私たちの蓄積したノウハウを仕事を通して若い人たちに伝授していきたいという思いはありますね。せっかく得た技術を伝えていかないというのは、非常にもったいないので。

 

 

―「MaBeee」アプリには色々な機能、遊び方がありますが、今後の新機能の実装といった展開についてはいかがでしょうか?

 

松成 今ノバルスでは「MaBeee コントロール」と「MaBeee ライト」の2つのアプリを出しているのですが、このアプリの数をどんどん増やしていこうという話が進んでいて、今年中に3点ほど開発する予定があります。ただ計画としては、SDKを公開して、他社さんや個人に作ってもらうという仕組み作りをしていきたいと考えています。うまく回していけば、皆さんで広げていってもらえるので、そういったところの仕組み作りにも今年は注力しようと思っています。

※「MaBeee」の開発者向け情報はこちらから:http://mabeee.mobi/developer/

 

小山 会社として、どんどん機能を強化していくというよりかは、「MaBeee」を通して利用者の方々が楽しんで、色々な使い方であったり、プラットフォームの一つにしていきたいというところを目指しています。今後は「MaBeee」を使った方々がよりどんな使い方ができるのかにフォーカスしてサービスを開発していく予定です。

 

 

 

MaBeeeコンテストといったイベントも開催している。詳細はホームページより。

 

 

おわりに

ノバルスのWantedlyページにはインターン生の募集ページも

発想次第で無限の可能性を秘めた「MaBeee」は、一貫して利用者のことを第一に考え、どんな思いでユーザー駆動の開発体制をとっているか、取材を通して知る事が出来た。ユーザーイベントも積極的に行なっているノバルスが、特殊なポジションでありつつもIoTという分野でどのように価値を提供していくのか。今後の展開を追っていきたい。

また、ノバルスでは現在インターン生も積極採用中だとのこと。興味を持った方は是非問い合わせてみてはいかがだろうか。

 

ノバルス株式会社

HP:http://mabeee.mobi/company/

ノバルスは創業2年目、従業員は6名(今後ジョインを含めると9名)のスタートアップです。身近にある物をIoT化していくことで生活をより良いものにしていく事を目指しています。また、「シンプル」を大切にし、ユーザーにとって愛される商品を提案していくようLean Startupを軸に開発・企画をおこなっています。その第一弾である弊社製品の「MaBeee」は子供から大人まで誰もが手軽に使える、人生で初めて触れるIoT製品でありたいー「My First Iot」を信念に提供しています。

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