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まだ世の中にない価値を掘り起こす、Voicyのスタートアップ・起業スタイル

ITプロジェクト名鑑では、2016年2月に設立され、9月にβ版をリリースした「Voicy」の緒方憲太郎CEOと伊東正幸CIOにインタビューを実施し、Voicyを設立するに至った背景や起業にまつわる話や、スタートアップ・ベンチャーに関心のある人にとってためになるログを書き起こした。(回答した内容については、取材した2017年3月8日現在のもの)

また、Voicyではエンジニアからデザイナー、プロジェクトマネージャー、広報など、積極採用中とのことで、業界の動向を追いたい人だけではなく、Voicyという会社に興味のある人にとって参考となるログとなっている。

 

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スピーカー

株式会社Voicy 代表取締役 CEO 緒方憲太郎(Ogata Kentaro)

株式会社Voicy CIO 伊東正幸(Ito Masayuki)

 

目次

  1. Voicyに至った背景
  2. ベンチャー支援家から起業家へ
  3. Voicyは人々の習慣・文化を変えるプロダクト
  4. コミュニティづくりでは、LikeではなくLoveを集める
  5. 「ユーザーの声」の聞き方
  6. 新しい市場、業界をつくる
  7. 起業はドラクエ。メンバー集めのすゝめ
  8. 前例がないサービスをつくる感覚
  9. Voicyに興味がある人に向けて

 

Voicyに至った背景

緒方憲太郎氏(以下、緒方) 元々私は、トーマツベンチャーサポートでベンチャー企業のアドバイザーをしていて、色々な会社を支援しに、ずっと飛びまわっていました。300社くらい回ってる中で、色々なビジネスを見てきたわけですが、とにかく「使いやすさ」と「安さ」で勝負するものが多くありました。それらは、市場のパイを奪い合っているだけなのではないかと。対して自分は、どこにもない新しいものを生んだり、世の中にまだないハッピーを1つ作ったり、付加価値を1つ生み出したりすることに興味があったので、せっかく事業をやるからには、そういうことを取り組みたいと思っていました。

ただ、そういうものって、なかなか儲からないんですよね。そこをまず認知してもらいながら、これまでにない価値を生んで、皆さんにこういう会社があってよかったなと思ってもらえるようにしていく。自分も、もともとそういう会社を支援するときには、世の中のためになるな、嬉しいなと思っていたので、自分もそれをしたくなったわけです。

そして、せっかくやるんだったら、生活全部が変わるくらいのことをしたいなと思いました。そこで、五感をくすぐる何かをやろうと至りました。昨今、目で楽しむものが次々と増えています。ARだったり、VRだったり、動画だったり。それらも全然いいとは思うんですが、「耳」、「声」というものも情報交換の上では非常に重要なツールだよなと思っていました。じゃあ、その部分でなにかできないかなと。

五感の中で、ポテンシャルがあるのにまだ使われてないな、ってのが「声」という世界なんじゃないかなと思ったんです。声は、コミュニケーションや情報伝達に使われているわけですが、その他にもその人特有の表現力、人間性というものを有していると思います。でもそれらは、まだ全然価値を生んでいないんじゃないか? そういう世の中にまだ眠っている価値を1つ掘り返す、そんな事業をしたいなと思いました。

 

ベンチャー支援家から起業家へ

緒方 元々支援家のときも、出来るだけ起業家に目線を合わせようとか、現場が大事だ、泥臭くやるとか、多分大変だなっていうのはわかっていましたけど、実際にやってみたら、その時思っていたのよりも20倍くらい大変ですね(笑)。

事業の中には、もう既にルールが決まっていて、模倣していくパターンのものと、新しく生まれるものがあります。特に後者をやっていると、ニーズがないことがすごくよく起こると思っています。支援していたときは、ベンチャー企業に対して、「ニーズはどこなの?」とか、ベンチャー企業が死ぬ7割くらいは、ノーマーケットニーズで死ぬんだ、ちゃんとニーズを掴んで、って言ってきたのに、自分も明らかなニーズがないものを掘り起こす事業を始めるっていう(笑)。

きちんとマーケティングして、既存のビシネスモデルを手堅くやるとか、比較的そっちの方が得意だったのにもかかわらず、逆に得意じゃないものを逆張りして今やっている感じです。

ほとんどの起業って成功しないんです。何かやりたいなって人の中で、会社にするまででも何十人に一人。会社設立した後でも、ちゃんとサービスを出すまでで、また5分の1くらい。その中で大きく成長して成功するのもまた20分の1くらい、というくらいで。実際に皆さんが知っているような、サービスを出している会社という時点で、相当の淘汰があると思うんですよね。

自分が支援家のときは、出ているサービスの中で、これはイケてるイケてないとか、よく言ってたんですよ。支援家から転向して、自分でサービスを作り始めた瞬間に、これまで支援をしていたみんなには、僕が「いやぁサービス出すだけでも偉いよ」とか言うもんだから「緒方さん、丸くなりましたね!」って言われるようになったんですよね。Voicyも、少なからず出せるところまで行けてよかったなって思いました(笑)。

 

Voicyは、人々の習慣・文化を変えるプロダクト

緒方 人々が1日に耳を使う時間というものを、まず増やさないといけないと思っています。日常生活でこの時間だけは耳で聞く、他は使わない、って生活は結構難しいと思うんですよ。日常のいろんなところで、「聞く」が段々増えていくことで、耳を使う時間が増えて習慣となっていく。これが一般的なスタートアップだと、一点突破でコンセプトのここだけやりきって、一気にバズらせて、よしなんとかとるぞ!ってところが多いんですけど、新しい文化を作る、生活を変える場合には、じわじわと変わっていくものだと思うんですよね。

なので、オカンの味噌汁みたいに毎日飲んでたら、いつの間にかそれが当たり前になる、そういうものを作ろうと思っています。人々に徐々に使ってもらえて、生活に馴染むところまでもっていかないと、中々変わらないと思うので。Voicyは、そんなところが他のスタートアップと違うんじゃないかと思います。

 

コミュニティづくりでは、LikeではなくLoveを集める

緒方 Voicyのパーソナリティとは、感謝会などを開いて交流しています。基本的にオーディションから受けてくれている人たちばっかりなんですね。パーソナリティは現在120~130人(2017年3月8日時点)いて、それぞれが自分独自のチャンネルを持って配信しています。パーソナリティ感謝祭をするとその中でイベントに来てくれたのは60人くらい。日本全国色々なところにいるのにそれだけ来ていただけるくらい、Voicyのパーソナリティはとても熱量をもってやってくれているんです。

新しい文化を作るときに大事なのは、巻き込み力だと思っています。同じ方向で共感してくれてるか、ということなんですが、そのプラットフォームで得をするというよりも、一緒になってそれを作りたいって思わせられるかどうかが、すごく大事だと思っています。なので、どれだけ僕たちがこういうことを考えていて、一緒にやりたいと思っているかというメッセージをできるだけ発信するようにしています。

そして、グロースハックも基本的にはユーザーがやってくれるものだと考えています。彼らがTwitterで発信したり、聞いてほしいと周りに呼びかけて人を集めたり、また、他のパーソナリティを呼んでくる人もいれば、パーソナリティ募集です!という広告を自分のチャンネルでする人もいます。

とにかくサービスを作るときにコンセプトとして、「likeじゃなくて、loveを集めよう」と決めました。きっとそのloveを集めると、そこから段々じわじわ増えていくだろうと考え、ではどうやったらそのloveが集まるかを色々考えながらやっています。彼らに対して、メルマガを送ったり、内部用のブログを作ったりですね。あとは、いつでも遊びに来ていいよと言っていますので、みなさん結構オフィスにフラッと遊びに来るんですよ。

パーソナリティが遊びに来て、そこで収録してそのまま発信しちゃったりとか。いつでもどこでもスマホ1つで音声放送を発信できるのがVoicyの強みなので、そんなこともできます。私どういうチャンネルにしたらいいですかね?みたいに来るユーザーもいれば、Voicyのエンジニアの恋愛話を聞きに来る声優もいたりするので、パーソナリティさんとは、かなり近い距離感でやれてますね。

 

「ユーザーの声」の聞き方

伊東正幸氏(以下、伊東) ユーザーの声は入ってきてはいますが、あえて取り入れていないところも結構あります。ある一つのサービスをどんどん改善していくためには必要なんですけれども、我々はVoicyを起点に、もちろん他のサービスも作っていって、それら全てで、Voicyという会社が発信している新しい価値観を表現したいと考えていますので。もちろんメモに取って、適切な改善をするのでお時間をくださいと伝えています。

緒方 新しい世界観を生もうとする際に、やはり既存の考え方で機能の要望を出してしまうところがあります。ユーザーに言われたとおりに既存にあるサービスのちょっとした改善してお届けしますみたいになったらダメだと思っています。Voicyで一番初めにUI/UXを出した時も、これはまずはUXの押し付けでいこうと思ったんですよ。

例えば、初めてiPhoneが出た時に、皆使いにくいって言ってました。iPhoneを使ったことが無いユーザーに意見を聞いて、使いやすいようにできるだけしていったら、今のiPhoneはできていないと思います。Voicyでもとりあえず、こちらが思う世界観を見せて、使ってみてもらって、その中でもユーザーに使い方や面白さを見つけてもらうっていう、逆張りなやり方でスタートしました。

しかしそれだと、かなり未来を見通さないと完全に見当違いなものを出してしまう可能性もあります。幸いうちはエンジニアが優秀なこともあって、とにかくピボットしながら、修正しながらやれました。その中で上がってくる声が、旧体質のラジオが好きなユーザーが言っている意見なのか、それとも新しい体験を作るために必要な意見なのかを考えながら導入していく必要があります。

結構ショッキングというか、びっくりすることもあって、声優さんが可愛い声で読んでたらそれが一番面白いのかなとか、上手くスムーズに読んだらいいのかなとか、パーソナリティの側になって思っていたら、実は結構違ってて、女の子が普通にあくびしながらふわっと「これはねー、こうでー」みたいに読んでいるチャンネルがグッと伸びたりするんですよ。

確かに、目の前で声優さんが可愛く読んだり、ナレーターがキレイに読んでくれればその時間が一番ハッピーなのかというと、意外と違う可能性はあるわけです。人々のユースケースからしても、結構通勤時間とかではなく寝る前だったりする場合もあるので、「あ、これ刺さるんだ」といった発見もあり、そういうところにヒントやチャンスがあるんだなと思っています。

 

新しい市場、業界をつくる

伊東 どちらかというと我々は、Voicyっていうサービスをもちろんヒットさせたいですけれども、「声ってイイよね」という世界を生み出すっていうところが大目標にあるんです。今後、競合が増えたとしてもそこはブレないですね。

緒方 むしろ、みんな入ってきたらいいと思います(笑)。みんなで、「そっちも声やるんだ」とか、「その辺声になったら面白いね!」とか色んな所から声が上がってきてほしい。

ただ、これまで国内で声に着目したサービスがあまりなかったのにはいくつか理由があって。テクニカルな話でいくと、例えば「こえ部」がなくなって、「ラジ生」っていうサービスがなくなって、AmazonのAudibleとか、オトバンクみたいなのも今あるんですけど、前提としてまず日本は、外で音を出してはいけない文化がすごく強いというのがあります。あと、車の運転時間が短い、っていうところとかもすごくあるとは思いますね。

日本は漢字にすごく強いので、活字を流し読みしたとしても、だいたいわかるんですね。アルファベット以上に、ざっと読んだだけである程度伝えたいことの方向性がわかるということで、情報というものが取得すればいいだけのものになっていて、情報取得自体がエンタメになりきれていないっていうのが、多分あると思うんですよ。そこで僕らは、情報取得自体が変わって、体温のある情報を得たり、もっとエンタメみたいになったらいいなと思っています。

Voicyでは、活字メディアの記事をそのまま読んでない人の方が多いんですよ。記事はあるけれど、その記事のことを適当に読むとか、感想しか言ってないとかいう人もいて、そこはとにかく自由でいいと。Voicyは、どちらかというと発信者の個性を出すところに重きを置いています。

あともう一個、サービスの作り方のフィロソフィーで違うところとして。これまでの声は、聞く人用に作られていたと思うんですが、Voicyではとにかく、読む人(パーソナリティ)用に作ろうと思ったんです。発信する人たちがとにかく発信してて楽しいって思えれば、きっとそこで面白いものをどんどん作ってくる。

これが録音用のアプリなんですけど(録音用アプリ「Voicy Recorder」を示しながら)。ここのプレイリストで、記事を1つ選ぶと、最新の記事がクロールされてどこでもとれるようになっています。ここで例えば、「東京のクレーン事故」という記事を選ぶと、内容が見れます。「この記事を追加」って押すとプレイリストに追加されて、それで録音ボタンを押して、読み上げたものを録音し、このままアップロードすると配信できちゃうんですね。

で、これをどう読んでも良いので、いつでもどこでも、記事もあるし、読む場所と記事さえあればどこでも配信できるっていう風に作ってます。

初めのサービスリリースのここまでは窪田(VoicyCTO)と2人で作っていたんですよ。そこから伊東が入ってガーッと会社が進むようになってきたんですけど。初めは、放送局を一個つくってしまおう、あなたにはあなたのファンがいる、あなたのための放送局、というものを作るなら、それくらいのものを作ろうという気持ちで入りましたね。

伊東 本当は海外の方が、3G とかの電波回線しかないのに、声の文化があります。そういうアプリケーションもあったりして。しかし日本だと、4G/LTEで手軽に発信できるのに、もともとそういう文化がないわけで、ある種のジレンマがありますね。

私も最初Voicyにジョインする前に、いろいろと緒方の方から事業について話を聞きました。そこでわかったことは、今のVoicyというアプリでは、緒方が考えていることの数パーセントくらいしか達成できないだろうということです。今後どうすれば、Voicyの世界観、声の良さを理解する世界を実現できるのかなということを考えてみたわけですが、そこは僕も考えつかなかったので、Voicyと一緒にやっていくことで、僕自身も成長できるとは思いましたね。

声って聞いた時に、世の中に「声フェチ」ってのはたしかに存在していて、その人にとって好きな声、嫌いな声はあるな、と。どんな声が好きって言い合えるのも、ちょっと素敵なんじゃないかなと思いますね。

 

起業はドラクエ。メンバー集めのすゝめ

-緒方さんの場合はトーマツベンチャーサポートでいろいろな事業を見てきたのが、すごく強みだと思うんですね。ただいざやろうって思った時に、まずエンジニアではないので、自分は作れないなっていうところがあるじゃないですか。力あるエンジニアさんの協力をもらうために、どんな考えを持っているのか聞きたいです。

緒方 起業ってドラクエだと思うんですよね。もう今の子はドラクエの世代じゃないのかもしれないですけど(笑)。ロックバンドでもそう。小学校からの幼馴染でバンドを組んで武道館を目指すのは、多分あんまり良い戦略ではないと思うんですよね。自分がベースだけに集中して上手くなったとしたら、それと同じくらいのレベルの奴らと組めると思うんですよ。

で、最近の世の中では、起業する最低条件が「良いエンジニアに来てもらえること」だと思うんですよね。はじめに、ホイミ使えるやつを横につれて旅に出れるのか?っていうところが重要です。それがいないけど起業しました、頑張ります、エンジニア誰かいませんかっていう会社、実はけっこうあるんですよ。そこは多分、旅に出るための最低条件を満たさずに出発しているだけだと思うんです。

何かしたい、起業がしたい、だからやるっていう人は、ゼロから経験して勉強したら良いとは思うんですけど、ちゃんと世の中にインパクトを与えたいとか、成功を形にしたいとかであれば、それに足るメンバーだけでやる必要があると思います。

一つ面白いお話で、とある企業の相談を受けていて、そこは結婚に関するサービスをやっていたんですよ。最高の結婚をお届けするという趣旨で、そのサービスを見せてもらったら、全然ピンと来ないんですね。理由は、絶対コレだなって思って聞いてみたんですよ。「メンバーで結婚してる人何人いますか?」と。「えーと、15人中1人です」みたいな。だから、結局それを起業の素材として選んだものの、彼らはベストパーソンではなかったのです。起業したいだけなんですよ。サービスを作りたいだけなんです。

それをやるなら、草野球チームを作って野球だけしてたらいいのと同じ原理で。じゃなくて、お金をもらってプロとして、みんなの前でみせる野球をやるなら、それに見合ったスキルをつけてきて、そのメンバーでやる。もしくは、なんとかしてそこのメンバーに入れてもらえるように努力して、スキルを高めることが大事。決して、目をつむって、飛び込むことがとても素敵だっていうのは、多分違うんじゃないかなって思っています。

メルカリのあれじゃないですけど、「Be Professional」ていうマインドはすごく大事だなと。プロというのは、スキルもあって、経験もあって、マインドもある。そのプロがやっているのは、無謀にも勇気だけで飛び込むことじゃないんですよ。飛び込んだら起業だと思っている人が多くいる。そんな気がします。

伊東 起業の教科書に掲載されるだけある。

緒方 ええ、コレ全部受け売りですとか言っちゃったりして(笑)。

 

緒方CEOのインタビューが掲載されている「起業の教科書」。トーマツベンチャーサポート著(※購入しても一切緒方CEOにキャッシュは入らないという。)

 

緒方 あとは、自分が出来るだけ高い旗を立てたら、志の高いメンバーが集まるじゃないですか。これ、強い野球チーム作りとほぼ一緒なんですよね。で、僕はめちゃくちゃ打てるから良いピッチャーを集めたいとか、僕はめちゃくちゃ良い球投げるから、良いキャッチャーとバッターが欲しいっていうのではすごくわかるんですよ。僕はめちゃくちゃ起業がしたくて、ライトで8番でいいから、すげーできる人みんな集まって欲しいっていうのでは、良いチームはつくれないんです。

その時に、自分は何が強みなんだろう。どういう人と合うんだろうっていうことを考えるわけです。自分がいることで、自分が旗を立てて、それで来てもらって、喜んでもらうっていうのがすごく大事。目標を達成しなきゃとかもあるんですけど、来てくれるチームメンバーをどれだけ満足させられるか、良いものを出せるかっていうところは、すごく考えていて、そこはハードワークでカバーすることもあるし、スキルをひとつ磨くこともあるし、逆にみんなが一番出来ないことをやるでもいいんです。もちろん、みんながそれぞれ1番やりたいことをやって、余ったことを全部やるみたいなのもいいです。「自分は他のどのCEOにも負けません」みたいな部分をどれだけ作れるかだと思うんですね。

で、その中で言うと、かなりの経営者が経営者じゃないかもなと私は思っています。経営者と経営管理者って違うんですよ。業務を全部管理して、上手く回すっていうのは、経営管理者の仕事であって、どちらかというと部長とかで構わない。COOであったりとか。一方、経営者ってのは、先を見て5年後10年後をイメージして、そこに自分たちがどうやっているかっていうのを、とにかく出来るだけ情報を集めて、そのイメージをなるべくクリアにして、みんなが見えていないところを作っていくわけです。

そこまでの階段で、どうもこれが正しいらしいとか、自分でも不安だけど、絶対こっちだわって言える人かどうかが多分重要で、それが船の中に例えると、多分あっちの方に南極があんねんっていう人になる。船の中のオールの漕ぎ方をみんなでちゃんとこうやって、1,2,3,4ってやるのはその人じゃなくていいんですよね。それにはそれのベストな人がいます。

その立ち位置をやりきれるかというコミットを考えつつ、これたしかに面白いねって言ってもらえるメンバーで仕事ができるかどうかってのもすごく大事だと思います。他の会社をみてると、社長がなに言ってんのかよくわからないとか、けっこうあるんですよね。それはやっぱり経営管理の方に偏ってるんじゃないかなって思うんですが、例えば、野球の監督に近くで、「監督が打てないからダメだ」なんて4番が文句言ってたらおかしいじゃないですか。

私としては、自分よりもできる人を集めて、チームをより良くすることをやる。それに対して、CEOとしてのスキルは他のCEOに絶対負けないぐらいのものは出していかないといけないと思っていますね。

 

前例がないサービスを追う感覚

緒方 前例がないサービスを作るって本当に大変です(笑)。誰もやらないだけかもしれないし、難易度が高すぎるかもしれない。元々、「誰もやらないことをやろう、世の中にない新しい価値を創ろう、自分たちが最高に成長して楽しもう」っていって始めたサービスです。

ベンチャーによくある事業で、よくタイムマシン経営とかいいますが、他で成功してる事例を模倣する事や、すでに大きくニーズのある市場にパイを取りに行く事があります。その時はニーズの検証する量も少なくて済むし、他のサービスを勉強しまくってチューニングしていくことになります。前例がない事業は、パクれたり参考にするものが少ないので、もう「泥沼を全力でクロール!」って感じで試行錯誤してます。そしてその中に、キラッと光るニーズが見え隠れしてきて、そこを「掘るぞ〜〜〜!」って頑張ります。どろんこで。それがめちゃめちゃおもしろいんですけど。

もちろん、人もお金もまだ多くありません。その限られたリソースで最大の効果を生むように戦略を考える必要もあり、そこは全社員で考えて全員で走ります。大変です。

 

 

 

Voicyに興味がある人に向けて

伊東 スタートアップなので、自分で欲しいだけ仕事が取れる。とても面白いと思いますね。で、エンジニア以外の仕事も出来ますし、やりがいしかないんじゃないかと。

自分はどちらかというと、これまでプロジェクトマネージャーの方をやっていましたので、企画側との調整とか、経営とか事業側との調整というのはわかっていたんですけど、実際自分が事業に関わって、責任を持つことはあまりなかったですね。

ただやらないと進まないので、誰かがやると言う状況です。さっき薄々感づいていたかもしれないですけど、緒方が1人で1番から9番までのピッチャー以外の全打順やっていたわけです。窪田さんがいたので、ピッチャー以外のポジションを全部緒方がやってるみたいな状態。キャッチャーなのに外野に行く、みたいな(笑)。

ですので、僕は広めポジションをカバーしたことはないんですが、これはもう自分も守備範囲を広めに持っておかないといけないなって感じではあります(笑)。

緒方 来る人みんなにとって、Voicyが出世作になればいいなと思っています。初めからめちゃくちゃ強い人が来て、強くてニューゲームだけでやってる会社でもいいけど、面白くないなって思っているんですよ。来る人にとって、今までで一番思い出になる会社はここだというところを目指していきたい。

それとVoicyみんなに言っているのは、自分が今まで持っている力を切り出して使えば成功するっていう会社じゃないからねっていうことは言っています。会社がこれから10倍20倍50倍と価値が上がっていくときに、みんなが1倍2倍の成長じゃ歯が立たないんですよね。

一人500回失敗していいから、5倍10倍成長するにはどうしたらいいかっていうのを考えてもらいながら、やってもらいます。これまでやったことがないこともやってもらうし、もっとストレッチして行こう、と。毎日1パーセントでも2パーセントでも成長し、スキルがあがるようにやってもらうことは意識してますね。

これまで、もしくはこれからVoicyに来てくれた人を思うと、やっぱり興味持って来てくれると嬉しいなと感じます。自分としてはVoicyのビジョンは見えていますが、1年前は周りから「はっ?」っていう反応でした。今もVoicyの成功する世界の有無を多数決で言ったらまだ現状「無い」が多いんですよ。でもビジネスの成功は予想の多数決じゃない。その多数決じゃないところに、結果をねじ込むには、多数決以上のパフォーマンスをしないといけないんです。

ポジティブに言うと、ブルーオーシャンですよね。我々以外に泳いでいる人は、今いないですから(笑)。

伊東 サメがいるかもしれない。餌がないかもしれない。魚だっているかわからないけど、全力で泳いでいるって感じですね。とにかく、泳いで見ないとわからない。もしかしたら海かと思えば、泥沼ということもあったりするかもしれません(笑)。

緒方 表立って募集していない時に、「勉強したい、やりたい」って学生が無給で来ることがありました。そのぶん、良い経験、成長ができるように、しっかりビジネスを教えますし、実際にそうやってます。ただベンチャーってものをやってみたい、経験もつみたい、お金も稼ぎたい、というのであれば、インターンは他のところが良いかもしれないですが、サービスをゼロから作りたかったり、多くの関係者と影響するサービスを作りたかったり、世の中に新しい価値を生みたい人は、最高に成長できる場になってると思います。

 

 

株式会社Voicy

https://voicy.jp/

私たちは目から取得する情報に飽和した社会の中に、声の人間味や表現力を浸透させ、声の可能性を拡げ、新しい豊かさを皆様の生活に提案します。
そのために、私たちは常に新しいことに挑戦し、新しい付加価値を生み、全力で楽しみながら成長します。

 

 

 

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