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無料でお問い合わせフォームを作成できて、顧客管理もできる「formrun」を使ってみた。

 

 

  こんにちは、ITPMのりゅう(@ryukun103)です。

 

 

突然ですが、

お問い合わせ対応って大変ですよね?

「お問い合わせいただいたA社はまだ未対応で、B社は対応済み! ……あれ、C社は誰が対応してたっけ??」

小規模な事業主だと、Excelで対応しているケースもあると思います。

Excelにある顧客情報を分かりやすく一か所で、「管理」から「活用」できないのか?

知る人ぞ知るformrunというWebサービスが打ってつけだという情報があり、リサーチすることにしました。

目次

・コンタクト管理サービス「formrun」とは

・開発の経緯

・フォーム作成 × 顧客管理に至った背景

・formrunをつかってみた

・余談:多田氏に聞く、大企業orベンチャー

・おわりに

(読了4分)

formrunとは

2016年12月にmixtape合同会社からリリースされた「formrunは、お申し込みやお問い合わせ対応と顧客管理の効率化を追求したコンタクト管理サービスである。

 

「formrun」でできることは主に3つある。

−お申し込みやお問い合わせフォームを簡単に作成・設置する

−入力された顧客情報を複数のメンバーでチームとして管理する

−「formrun」で直接、顧客とコミュニケーションをとる

 

お申し込みやお問い合わせフォームと顧客管理システムを兼ねているとなると、扱いづらい複雑なプロダクトなのではないかと想像するかもしれない。

しかし、「formrun」は違う。必要な機能のみにとどめ、徹底的にシンプルさを追求することで、ユーザーが迷わないように配慮されている。

 

下記は「formrun」の公式サイトに掲載されている「formrun」紹介動画である。

「プレスリリースの受付」や「資料ダウンロード」など、お申込みやお問い合わせフォームの目的別にテンプレートとデザインが用意されていることや、入手した顧客情報の管理を直感的に行えることが伺える。

 

「formrun」紹介動画(公式HPより)

 

「formrun」開発の経緯

「formrun」の開発を始めるに至った経緯やタスク管理ツールや顧客管理システムなどを扱うSaaS業界へ参入する上での考察をmixtapeの多田CEOに伺った。(略歴・画像は公式HPより引用)

CEO 多田雅斗(Tada Masato)

京都大学理学部を卒業後、東京大学大学院にて機械学習を専攻。大学院を中退後、2012年に株式会社じげんに入社。エンジニアとしてサービスの開発を行い、様々なプロジェクトを牽引。また、開発メンバーの人事評価を行うなど、組織マネージメントにも携わる。
2016年1月にmixtape合同会社を共同創業。2016年2月に、第8回「フクオカRuby大賞」にて企業賞を受賞。

 


フォームという着眼点


「formrun」画面(公式HPより)

 

−mixtapeはどのような経緯で立ち上がったのでしょうか?

 

多田 mixtape立ち上げ前は、それぞれ別々の会社にいたメンバーとファーストフード店やカフェで集まって、何か面白いことをしたくて色々とアイデア出しをしていました。

当時は世の中の課題解決を、toB(企業)なのかtoC(生活者)なのか、アプリなのかウェブなのかを分け隔てなく考えていました。そこで、ウェブサイトには必ず一つは存在する「フォーム」というテーマで盛り上がり、3人でmixtapeを立ち上げました。

 

自分は、開発職の経験がそんなに長いわけではないですが、それでも以前の職場等では数か月に1回はフォームを作ってくれと頼まれていました。

新規事業を立ち上げる時には、それぞれ機能が要件として出てきて開発するんですが、会社としてやってるので、最終的にリリースする日付は決まっているんですね。

その時に、例えばある月の中旬にリリースしたいのに、月のはじめに「あれ? これってお問い合わせ必要だけどないよね?」ということがあったり。そういうコア業務ではないけれど重要なものが、けっこう抜け落ちていることが多いのではないかと感じました。

 

ホームページ上で唯一の顧客との接点だと言えるお申し込みやお問い合わせなどの窓口となるフォームは本来、大事なもののはずなのに、開発では後回しになりがちです。

 

LINEをはじめSNSが浸透した今でも、ビジネスのやりとりはメールが主流です。もし10人のチームなら、メールを受け取る側としても「今誰が担当しているんだっけ? どういうステータスだっけ?」と確認する手間がかかったり、お互いにお見合いしてしまって結果として失注や顧客満足の低下につながります。これってどこにでもある話なのではないかと思います。

 

mixtape CEO の多田氏

 

−顧客管理システム市場をどのように捉えていますか?

 

多田 大企業は潤沢なリソースを背景にSalesforceなどの顧客管理システムをガチガチに基幹システムとして組むことができます。参考として、Salesforceの一般的なプランで言えば、営業1名あたり1万数千円が毎月かかることになります。

 

ただ、結局のところ目指すべきものは、自分の将来のお客様や現在のお客様とのコミュニケーションを円滑にすることよって、自分たちのサービスや商品を販売するために良い関係を築くことなのです。

 

資本がある大企業はそれを導入できるかもしれませんが、中小企業や個人事業主になると、既存の高度な顧客管理システムを導入し、運用し続けることは難しいのが実情です。

 

もちろん、GoogleフォームやGoogleスプレッドシートでそういった業務に対応することは可能です。実際、けっこう何でもできてしまう。

しかし、それはフォームの設置や表計算などの領域ではいいかもしれないけれど、入手した顧客データの管理、たとえば情報の鮮度管理やステータス管理、担当者の割り振りなど最適化されているものだったか?

そこを「formrun」で再提案したいと思ったことが事業のきっかけです。

 

「管理」から「活用」へ。(公式HPより)

「formrun」の料金プランは月額無料・2980円・9800円の3つから選択可能

 

−formrunでターゲットとしている顧客ボリュームについて、どのように考えていますか?

 

多田 BtoBビジネスの「B」。その裾野はどんどん広がってきている。個人事業主や小さなチームレベルも、「B」に含まれてきているんですね。

フリマアプリなどが台頭し、個人での物の売り買いが一般的になってきている現在、toBとtoCの明確な境界は薄れてきていると思います。

だからこそ、さまざまなお申し込みやお問い合わせに対応するシンプルなフォーム作成機能とライトでありつつも営業やマーケティング、カスタマーサポートなどチームを縦断しても利用できる顧客管理機能を合わせもった「formrun」というサービスは、今までにないアプローチだと思いますね。

 

フォーム作成 × 顧客管理に至った背景

−formrunは、これまでのビジネスツールの移り変わりを丁寧に解析して、フォーム作成と顧客管理というかけ算をしている印象を受けました。それについてはどうでしょう?

 

多田 管理ツールに関して言えば、今までは本当に表計算ソフトのExcelに代表される「テーブルで管理」という概念が業務システムには通念化していました。

行がたくさんあって、レコード化していくものですね。それらの情報は本来、流動的、つまり情報にも鮮度があり動き続けている。

情報のステータス管理が本来求められているはずと考え、至ったものがトヨタ自動車さんの生産管理方式で有名な「かんばん」を情報の鮮度管理として取り入れることでした。

「かんばん」で顧客情報を管理することで、よりビジュアルで顧客の状態がチームで可視化され、マネージメントしやすいものに変わった。

もともと、メールフォーム自体のサービスは10年以上前からあるサービスで、メールフォームの機能だけに限って言えばマーケットはレッドオーシャンです。レッドオーシャンではあるんですが、実際のところ顧客と事業会社の距離が縮まっている今日、単なるお問い合わせやお申し込みの窓口だけのサービスというものは顧客から求められていないのではないかと考えています。

 

−formrunの開発を始めたころから、”シンプルなフォーム作成”と”ライトな顧客管理システム”の組み合わせに対して、絶対的な根拠を持っていたのでしょうか?

 

多田 最初からではないですね。仮設を立てつつ試しに開発しながら、これはちょっと違うなと思ったら修正したり、自分たちのなかでこれは手応えがあるなと思ったら本格的な開発へ進む。その繰り返しでした。

2016年の春からβ版としてリリースして、ユーザーの皆様からフィードバックを集めていたんですが、大きな告知をしていないにもかかわらず、当初想像していたよりもユーザーが増えていったんですね。

Twitterのタイムラインにも「formrunを使ってみた」といったポストが流れるようになったり、ブログで「formrun」のレビューが記事化されるなどを目の当たりにして、これは想定していたよりも利用者ニーズがあるんじゃないかと実感しました。

 

β版でのフィードバック収集(formrunガイドのコイニー株式会社「必要な情報がひと目でわかり、管理に手間がかからないので、スプレッドシートでの顧客管理にはもう戻れないです。」より)

 

formrunを導入したコイニー株式会社によれば、

カード形式によるお客様管理ができる「formrun」だと、必要な情報がひと目でわかり、管理に手間がかからないので、スプレッドシートでの顧客管理にはもう戻れないです。

とのこと。セールスサポートを中心に8人のチームによる「formrun」の運用を具体的に語られている。

メール通知以外に、SlackやChatWorkなどのビジネスチャットツールにも通知連携ができるため、顧客対応のスピード感につながっているそうだ。

コイニー担当者は、CRMSFAの導入も検討したが、導入コストが高いのでためらっていたという。

 


隠れたニーズを拾う


−いわゆる「声なき声を聞く」という取り組みを、多田氏はどのように行なっていますか?

 

多田 前提として、自分のニーズと世の中のニーズが乖離している自覚はあるんです。

例えば、自分が開発者だと自動化できるものは自動化、やらなくていいことはやらない、みたいなことを常に思っているわけです。同じように営業やマーケティンス担当の人が面倒だと感じる部分は、他のポジションの方にはなかなかわからない。

お申し込みやお問い合わせのフォームといっても実にさまざまな職種の人が開発や運用に携わるので、各々に課題や不満が生まれます。それらを解決したいと思いました。

そのため、実際に利用いただいているユーザーの意見をリアルに伺うことで、抽象化されたニーズではなく、具体的なニーズを探ることで、開発要件につなげるようにしています。

 


コンセプトは「チームで走るフォームにしよう。」


−「formrun」のコンセプトメイクの裏側には、どのような多田氏の考え方があったのでしょうか?

 

多田 自分に与えられた業務やミッションを完璧にこなすことを果たすのは当然ですが、中小企業やスタートアップだと、与えられたことだけのワークスタイルではいられない環境だと思うんです。

例えば、「営業」と「マーケティング」という二つの職務がありますが、その二つの職務の間に顔を見合わせたり、こぼれ落ちる仕事やタスクは山のようにあるわけです。それは「デザイナー」と「Webエンジニア」でも同様のことが言えます。

多くの企業では、こういったルールを明確化していない、お互いが顔を見合わせがちな仕事を、どちらかの人が、自身の経験則やチームで判断して取り組んでいる状態だと思います。

 

「ツールをひとつに、チームをひとつに。」(公式HPより)

多田 そういった現状の問題点を踏まえつつ、「formrun」では、営業やマーケティング、カスタマーサポートと役割と顧客の接点は異なれど、顧客獲得や事業成長を達成するために、あらゆる部門の方がチームとして顧客管理からコミュニケーションができるようにサービスを設計しています。

従来のやり方でいうと、カスタマーサポートはカスタマーサポート専用のツールを利用し、営業はSFAといった営業管理専用のサービスないしソフトウェアを利用していました。しかしながら、本来の顧客とは事業会社またはチームの経営資産であったはずです。

そういった価値観のもと、「formrun」では、全員が同じ目標に向かって顧客マネージメントやコミュニケーションできるプラットフォームとして開発を進めています。

 

「formrun」をつかってみた

ITプロジェクト名鑑は2017年2月より取材のお願いを、着眼点が面白いプロジェクト・プロダクトに絞って行っています。

取材依頼を開始した当初は、お問い合わせフォームもGoogleフォームを埋め込んでいました。面白い取り組みをしている企業はないか? そうリサーチをする中で、「formrun」を知ったわけなのですが、それから実際に「これは使えそうだ!」ということですぐに導入しました。

1 お問い合わせフォームの作成

サービスURL: https://form.run/ja

まずはログインして、お問い合わせフォームを作成する。目的別のテンプレートがあるだけではなく、サービス内にフォーム設置に関するガイドもあるので、つまずくところはなかった。

 

ITプロジェクト名鑑立ち上げ時のLP

2 お問い合わせを受け付ける

サービス内で通知設定が可能なので、スマホでチェックもできる。お問い合わせに対する返信など、素早い対応が可能だ。

「formrun」からの通知をスマホで受ける

スマホで通知を受けて内容の確認までワンストップ。スマホ内で「formrun」のWebサイトで情報を閲覧するもよし、メインで作業するPCで閲覧するもよし。

通知からワンストップでお問い合わせ内容を確認できる

3 自動的にサービス内のボードに反映されている

顧客情報の鮮度が管理できるボード画面では、それぞれの顧客情報がどのステータス状態であるかが一目でわかるようになっている。

顧客情報は、お問い合わせフォームから受け付けたもの以外に、新規情報として手動でカードを作成することも可能だ。

顧客情報は「formrun」のボードに自動追加されている

4 担当者が誰かわかるし、メール送信も「formrun」内で完結できる

これで冒頭の「お問い合わせいただいたA社はまだ未対応で、B社は対応済み! ……あれ、C社は誰が対応してたっけ??」問題はクリア。

加えて、メールのテンプレートまで作成して置いておくことができるし、メールの送信キャンセルも可能だ。

顧客情報の閲覧とメール送信

 

フォームを設置し、導入が完了するまで30分とかからなかった。ユーザーが直感的に使えるように、シンプルでライトを追求している「formrun」を体感することができた。

多田氏が述べたように、高度な顧客管理システムを導入する企業は資本力があるからで、立ち上げたばかりの当Webメディアのような小規模チームはそのようなものを導入することができない。

「formrun」は中小企業やスタートアップの味方としてサービス開発を行っているのだと、取材中の多田氏は何度も繰り返した。

 

余談:多田氏に聞く、大企業orベンチャー

−多田氏から、大企業・ベンチャーに関する考察や、若手へのメッセージをいただいた。

 


スキルがある人の密度


多田 大企業でできることとベンチャーで出来ることは種類が違うと思っています。

ベンチャーの人のほうが色々やってるイメージはありますが、技術力の高さとベンチャーに在籍しているかはあまり関係がないと思います。スキルがある人の絶対数としては、大企業もベンチャーも変わらないんじゃないかと。結果的によりリスクを取っているベンチャーの人材の方が体感としての密度は高いかもしれないですね。

ベンチャーは、「何か新しいものを生み出したい」と常に考えている人が向いています。いろいろな役職の間に落ちてるものを取ることがメインの仕事になることもあります。

 


就職にまつわる問題


多田 就職に関して言えば、おすすめは企業規模関係なく、今まさに伸びているところや伸び始めようとしているところにジョインするとエキサイティングな時間とそれに応じた経験値を得ることができると思います。

伸びているところに行くことで、その中で伸びるよう努力すれば、より伸びます。ただ、伸びているかどうかを見極める力をつけることは難しい。

求人票はあくまで採用活動の土台なだけであって、その上にのっているものは何なのかという答えは、求人票ではわからない。

つまるところ、興味のある会社の中に共通の知り合いをつくったり、積極的にOB訪問をすることでファクトや空気感を掴み、探るしかありません。

 


学生・若手へ


多田 成功したいと考えるエンジニアにとって、セルフブランディングへの取り組みは必要だと考えています。

この成功とは金銭的な意味ではありません。自分がしたいことを出来て人生を楽しくするためには、自分を売り込み、伝えることが近道の一つだと思います。

例えば、エンジニア職で本業以外に副業を持ちたいと考え、それに応じた案件を探した場合、良い条件が数多に集まる場合とそうでない場合があるかもしれません。

良い条件を引き出せたのであれば、今までに積み重ねてきた実績と評価、そしてそれらに醸成されたブランディングが背景にあるのではないでしょうか。

あとは、ありきたりですが、コンピュータサイエンスの知識や英語といったスキルはより一層必要とされますね。それらの知識や能力を持つことで、国内をはじめグローバルで自分の可能性や活躍する機会を広げられるわけですから。

 

おわりに

多田氏は「formrun」の懸念として、ビジネス上のやりとりをする上で、そもそもメール自体が今後ともずっと続くとは思っていないことを取材後に明かした。

 

チャットなのか、LINEなのか、SNSなのかを問わず、顧客とのコミュニケーションがずっとメールであり続けることはないだろう。(多田氏)

 

これからどのように世の中の変化を捉え、「formrun」としてアウトプットしていくのか。

mixtapeの目標はこの世のウェブサイトすべてに「formrun」が導入され、スムーズに顧客情報の管理や活用、コミュニケーションが行われることだと多田氏は言う。

すっかり「formrun」ユーザーとなったITプロジェクト名鑑としても、mixtapeの取り組みやサービスのアップデートを今後とも追っていきたいと思う。

 

 

 

あたらしい、協働のかたちをつくる。

mixtape合同会社

HP:https://form.run/ja

by
芝浦工業大学卒。在学中は建築学専攻。 在学中には大学広報冊子の編集長を勤めながら、インターンでWeb系の新規事業に携わり、その中でスタートアップ・ベンチャーの魅力を知る。 より多くの人にその魅力を発信するために、取材活動に取り組んでいる。
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